仰向けでできるブリッジや骨盤前後傾で体幹の土台づくり
体幹機能の低下がみられる場合、まずは安全な仰向け姿勢から整えるのが近道です。ポイントは体の接地感覚の獲得と腹圧のコントロール。かかと・ふくらはぎ・骨盤・肋骨下縁・後頭部の5か所を床に軽く感じながら、呼吸でお腹周りをふくらませるようにしてから動作を始めます。基本は骨盤前後傾運動:息を吐きながら骨盤を軽く後傾、吸いながら中間位へ戻すことを10回×2〜3セット。ブリッジは足幅を腰幅にし、吐きながらお尻をゆっくり持ち上げて3秒保持→降ろすを6〜10回×2セット、セット間には60〜90秒の休憩を入れます。麻痺側のかかとを意識して荷重を揃えるとより効果的です。痛みがある場合は可動域を小さくし、反動や勢いをつけずに行いましょう。高齢の方にも無理のない負荷設定から始めることで、座位や立位へのステップアップがしやすくなります。
息こらえを防ぐ呼吸法と痛みを回避する体勢の工夫
体幹筋を活性化するリハビリで見落としやすいのが息を止めてしまう(バルサルバ現象)ことです。これは血圧変動や首・肩の緊張を招くため、動作と呼気を合わせるのが基本となります。骨盤前後傾やブリッジでは、始動を吐く呼吸に合わせ、上がる最中は細く長く吐き続け、頂点で1〜2秒自然呼吸、下ろしながら吸気へ移行する流れです。痛みを避ける体勢は次の通りです。
- 腰の反りを防ぐ:みぞおちを軽く内へ、恥骨を天井に向ける意識
- 首の過伸展を防ぐ:顎を軽く引き、後頭部で床を押しすぎない
- 膝角度を90〜110度に調整:膝の痛みを予防し、お尻にしっかり刺激を集める
ブリッジで腰に違和感が出る場合は骨盤の後傾運動のみ取り入れたり、小さなリフト(2〜3cm)で実施しても構いません。呼吸と姿勢を整えることが、バランス改善に直結します。無理せず、痛みゼロの範囲で繰り返しましょう。
座ってできる骨盤コントロール&左右リーチで体重移動をマスター
座位は日常動作と歩行との橋渡しとなる姿勢です。片麻痺がある場合には骨盤コントロール→体幹の回旋→左右へのリーチの順で取り組むのが効果的です。安定した椅子に深く腰掛け、両足は肩幅、足裏全体を床につけます。骨盤前後傾は胸を反らさず、みぞおち下を柔らかく動かす意識で10回×2セット。次に体幹の回旋:胸郭を左右に小さく回すことを各8〜10回、麻痺側に向く回旋はやや多めに行います。左右リーチはおへそを正面に保ったまま、手を15〜25cm前や側方に伸ばして3秒保持を各5〜8回。難しければ前方リーチから始め、慣れてきたら支持基底面を少し狭めてレベルアップしましょう。体幹トレーニングの頻度は週4回・8週間継続が目安とされ、感覚入力や荷重学習に有効です。ふらつきが強い場合は家族の見守りや専門家への相談を優先してください。
| 目的 |
やり方の要点 |
回数・頻度の目安 |
| 骨盤前後傾で座位安定 |
胸を反らさず骨盤だけを揺らす |
10回×2セットを週4回 |
| 体幹回旋で軸づくり |
みぞおちを中心に小さく回す |
各8〜10回を週4回 |
| 左右リーチで体重移動 |
手だけでなく体幹で届かせる |
各5〜8回を週4回 |
シンプルな動作でも、質をそろえて継続することで体幹の崩れを予防できます。以下の手順で安全性を高めましょう。
- 椅子の高さを膝関節が約90度になるように調整
- 足裏の接地感を確認してから骨盤を動かす
- 回旋やリーチは痛みゼロ・息こらえゼロで実施
- 麻痺側への荷重は小さく・ゆっくり・止めて確認の順で行う
- 終了後は自然呼吸で首や肩の緊張をリセットする
座位での体幹トレーニングは、日常の立ち上がりや歩行の安定に直結します。高齢の方でも続けやすい負荷設定から始め、症状や状態に応じて段階的に調整してください。リハビリは継続が重要なカギとなります。